レポート

REPORT

2023/06/22

  • 郁文館中学校
  • SDGs教育

修学旅行出発前に行った中学2年生理事長講座「いのちの大切さ」

 6月上旬に北海道へ修学旅行に出発する中学2年生に向けて、渡邉理事長より「いのち」の大切さについての講座が行われました。

 修学旅行では、「“いのちのつながり”を、第一次産業から第三次産業までのつながりを通して体感する」をテーマに、放牧酪農や漁業の現場などを見学することで、北海道の悠大な自然を体感できる3泊4日を生徒たちは過ごします。日本で2%しか実施されていない放牧酪農を間近で見学したり、カレイを捌く体験を行ったりと、他の学校にはない郁文館独自の修学旅行プログラムです。そんな充実した修学旅行を、より実り多きものにするために、環境問題や食糧問題について理事長が講義を行いました。

 まず、いのちについてのお話がありました。理事長が自身の実体験をもとに、時間は有限であり、限られた時間をどのように使うかが大事であると伝え、生徒たちは真剣な表情で話を聞いていました。「3泊4日の修学旅行をどのように過ごすべきか。」出発前に改めて考えることができたでしょう。

 そして、生徒たちが待ちに待ったアイス試食タイムです。このアイスは、理事長が経営する北海道の牧場で有機の牧草のみを食べて育つ牛のミルクから作られたアイスで、試食後は「あっさりしてるのに美味しい!」「今まで食べたことがない感じ!」とキラキラした目で、理事長先生に感想を伝えていました。生徒たちが感想を発表する中で、理事長は牛のいのちについてお話をしました。牛は2歳で母になり、産んだ1か月後にまた子どもを授かることができるため、休まずに5、6回出産を経験することもあります。普段何気なく食べているものが、命をかけた出産を何度も経験する牛のいのちであることを知った生徒たちからは、驚きの声が上がりました。修学旅行先の北海道では、現地の酪農家と交流する機会があります。実際に自分の目で見て感じた疑問をぶつけることで、知見をさらに広げて帰ってくる生徒たちの姿を見ることが楽しみです。

 アイスの感想で盛り上がった後は、食糧問題についてのお話がありました。日本で生活をしているとなかなか気づくことはできませんが、世界では3人に1人が栄養不足で、毎日4万人が餓死すると言われています。この状況を変えるためには、余裕のある国が食品ロス問題に真剣に取り組まなければなりません。食品ロス問題を実生活からどのように取り組めばよいか、まずは1人ひとりが考えて行動することからがスタートだと理事長は伝えました。質疑応答では、「昆虫食についてどう思うか」「今後、注目される食品素材はどういったものがあるか」など特に食糧問題についての質問が多く、積極的に手を挙げていました。

 理事長講座では、普段の食事で様々ないのちを頂いていること、目の前の食事がたくさんの人のつながりによって提供されていることを知ることができました。北海道で行う修学旅行は、いのちの大切さを知ることができる体験イベントを多く盛り込んでおり、食品ロスや食糧問題について考える機会がたくさんあります。実際に体験することで1つでも多くのヒントを持ち帰り、実生活に活かす生徒の姿を見ることが楽しみです。