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2023/05/02

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都会では体験できない「人間力を育む」夢合宿の開催

 中学1年生が夢合宿に行ってきました!

 郁文館では、「夢合宿」という名の5〜10泊11日の集中合宿を、毎夏実施しています。日常の環境から離れて、大自然の中で過ごすために、長野県東御市の標高約1,100メートル地点にある「鴻夢館」という郁文館の研修施設で過ごします。

 心身ともにリラックスした環境で、同じ研修目的を共有する仲間と共に過ごすことで、集中力と学習へのモチベーションを高めながら、切磋琢磨することができます。生徒たちは、この環境で生活することで、基本的生活習慣の確立や他者との共同生活における協調性など、社会で生き抜いていくための人間力を育みます。

 毎年、中学1年生の生徒たちは、入学式の翌日から夢合宿を行います。コロナ禍で実施することができなかった年もありましたが、今年は万全の感染対策を行い、5泊6日で実施いたしました。

 まず初日は、理事長講座を行いました。生徒たちは、幸せに生きる方法や夢の叶え方などを理事長から直接学びました。また、生徒に熱いメッセージとして印象強く残ったのは、「七つの約束」でした。七つの約束は、郁文生がそれぞれの人生を主人公として歩めるように「①笑顔で元気よく挨拶せよ、②約束を守れ嘘をつくな、③すべてに感謝せよ、④自らの夢のために限界をこえた努力を継続せよ、⑤損得ではなく善悪で判断せよ、⑥他人の喜び悲しみを共有せよ、⑦正しいと信じ決めたことは諦めず最後までやり遂げよ」という当たり前でありながらも常に心得るべきこととして、理事長が生徒に送った言葉です。運さえも味方につける人生を歩むために、最低限のことは約束しようと生徒がうなずく瞬間を見て、教職員も改めて重要性を再認識したお話でした。質疑応答では、目をキラキラと輝かせたたくさんの生徒たちが手を挙げ、たくさんの質問を通してより深く学ぶことができた講座になりました。

 2日目はEQプログラムを行いました。チームビルディングを通して、仲間との関わり方や、目標達成までのプロセス作りを体験することが目的のプログラムです。今回は、「みんなが安心してチャレンジできるクラスを作ろう」を目標に、午前中はテニスコート、午後は室内で活動を行うなど、様々なアクティビティ を行いました。入学してすぐの合宿だったため、まだコミュニケーションがとれておらず不安だった生徒たちの姿が一変し、明るくわいわいと楽しむ姿が見られました。このアクティビティを通して、自分のクラスのメンバーだけでなく、クラスをまたいで他クラスの仲間たちのことも深く知る機会となりました。

 仲間との絆が深まり、少しずつやわらかい表情になってきた3日目と4日目には、農業体験と森林体験、HRを実施しました。
農業体験では、有機野菜を育てるワタミファームの方からレクチャーを受けながら、緑肥の刈り取りと大豆の仕分け、堆肥捲きを行いました。実際に体験してみることで、有機農業の大変さを実感でき、美味しい食べ物が当たり前にあることのありがたさを学びました。

 森林体験では、事前にレクチャーを受けた後、東御市と協定を結び森林保全活動を実施している「東御の森」へ行き、都会とは違う森の空気に触れました。森でしか見ることのできない発見に、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚を全て活用して、森林再生の重要性を体感しました。

 また、HRでは夢短冊や夢手帳を通して「自分の夢」を考えることができました。郁文館に入る前に夢が明確になっていた生徒もいましたが、大半の生徒は、「自分は何が得意で好きなのか」が分からず、苦戦したことでしょう。まずは、「自分の得意分野で、まわりからありがとうを集めるためにはどうしたらよいのか」についてじっくりと考えることで、少しずつ鉛筆を走らす生徒の姿がありました。自分の視野を広げ、夢への一歩を切り開くことができた濃い時間となりました。自ら夢について考える習慣が、学校生活に戻った後も続くように、郁文館でどんどん吸収してくれることを期待しています。

 5日目は、生徒待望の野外調理を行いました。グラウンドで班に分かれて基地を作り、カレーライスを作って食べました。火をおこしたり、野菜を切ったりと初めてのチャレンジもたくさんありましたが、皆で助け合って作業できました。チームで協力しながら作ったカレーライスを、青空の下みんなで食べたことは、とてもいい思い出になったことでしょう。

 仲間と協力しながら自然の中で過ごす研修で、社会を生き抜くための人間力育成の第一歩を踏み出しました。6年間の夢教育はまだ始まったばかりです。教職員一同、生徒たちの夢が叶うよう全力でサポートしていきます。