レポート

REPORT

2022/08/26

  • 郁文館高等学校

2022年 高校2年生PBLツアー(探究型研修旅行)レポート!

 
2022年PBLツアーが実施されました。PBLとはProject/Problem Based
Learningの略であり、修学旅行に代わって実施される探究のための研修旅行となります。今回は6方面のコースを用意し実施しました。すべてのコースは、SDGsと関連させたプログラムが組まれており、生徒たちは社会とのつながりの中で、研究テーマを深めます。夕張方面、陸前高田方面、山陽山陰方面、長崎方面、屋久島方面、沖縄方面の中から一地域を高校1年時に選び、約半年間、グループごとに設定したテーマ・課題に基づいて事前学習を進め、今回実際に訪問し探究活動を深めます。

※Guide Book 2023より
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北海道夕張方面では、千歳市役所様の講演、札幌大学での講義とミニオープンキャンパス、夕張市や札幌でのフィールドワーク等を通し夕張市の炭鉱の歴史や、現状を学びました。またアイヌをテーマとしたナショナルセンターウポポイ(民族共生象徴空間)を見学し、財政破綻と地域復興、アイヌ民族についての探究活動を深めました。「PBLツアー全行程を通じて、自分を成長させる学びはありましたか」とのアンケートでは、95.9%の生徒が「そう思う」と答えました。※「とてもそう思う」「ややそう思う」「そう思う」の割合の合計です。

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岩手県陸前高田方面では、震災の現実を知り、「本当の意味での復興を学ぶ」というメインテーマでツアーを実施しました。日本最大級のオーガニック農業テーマパーク『ワタミオーガニックランド』に行き、様々な体験をしたり、陸前高田市長の話を聞いたりしました。陸前高田の現状を知り、「復興するためには何が必要か、自分たちにできることは何か」を考えるきっかけとなりました。

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山陽山陰方面では、広島、鳥取、島根を訪問しました。平和と戦争、地域づくり、クリーンエネルギーをテーマとしました。原発によって生じる「核廃棄物」は、10万年先まで人体に悪影響を及ぼすため、廃棄ができないにもかかわらず、現在もつくり続けられているという現実を知り、エネルギー問題をどう考えるべきか、再生可能エネルギーを軸に学びました。「PBLツアー全行程を通じて、自分を成長させる学びはありましたか」の アンケートで93.8%の生徒が「そう思う」と答えていました。

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沖縄方面では、主に沖縄県庁や国際通りで街頭インタビューを行い、戦争と平和、基地問題等をテーマに学習を行いました。今年は、「沖縄の復帰」50年にあたります。第二次世界大戦におけるアメリカ軍と日本軍の戦闘で唯一の地上戦が行われたのが沖縄であり、多くの方が亡くなった事実を再確認し、平和について深く考えさせられました。また、日本の国土の0.6%しかない沖縄に 、日本にある米軍基地の約7割が置かれている事実も再確認し、理想と現実を学び、何が本当の平和かを考える良い機会となりました。生徒へのアンケートの中で、「フィールドワーク(班別活動)で学びはありましたか?」に対し、学びがあったと回答した生徒はなんと100%で、フィールドワークがとても充実していたことがわかりました。

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長崎方面では、「異文化との共存、IR推進の是非、多様な地域の形・可能性を考える」というテーマで、初日に長崎市内でのフィールドワークを行い、二日目と三日目は上五島で民泊し、四日目にはハウステンボスに行きました。長崎市内では長崎県庁へ赴き、教育やIR構想の話を聞きました。上五島では、地元の方々と交流し、看護師、保育士、観光協会の方々、役場の方々にインタビューを実施すると同時に、プレゼンも行いました。またハウステンボスではSDGs講話を聞き、インタビューも実施し、ハウステンボスの職員の方々の前でもプレゼンを行いました。生徒たちへのアンケートでは「今回のPBLツアーは後輩たちに勧めることができる内容でしたか。」に対して、96.9%の生徒が、そう思うと答えました。

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屋久島方面については、屋久島は世界遺産の島であり、生徒たちは自然の偉大さを全身で感じるツアーとなりました。フィールドワークでは、一湊海水浴場の浜辺で水質調査等を行いました。三日目には、屋久島野外活動総合センターのガイドのもと、山のコースと海のコースに分かれて散策や測量などの体験学習を行いました。4日目には白谷雲水峡でトレッキング(山歩き)もしました。都会では経験できない学びを、身をもって体験することができました。生徒たちへのアンケートの中の特筆点は、「PBLツアー全行程を通じて、自分を成長させる学びはありましたか。」という質問に対し、100%の生徒が学びはあったと回答しました。

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総じて、生徒の満足度の高いPBLツアーとなり、今後はグループでのフィールドワークの練習を個々の探究テーマにいかし、更に学びを深めていきたいと思います。