レポート
REPORT
2025/12/26
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【理事長ブログより】2学期終業式で渡邉理事長が生徒へ送ったメッセージ
今回は、広報担当がお送りする理事長ブログです。
12月19日(金)、2025年度2学期終業式が行われ、冬休みを迎える生徒たちに、渡邉理事長から下記のメッセージが送られました。

まず1年の締めくくりとして、ぜひこの冬休み期間に、今年1年間をしっかり振り返ってください。
しっかり振り返った上で、できなかったことがあれば反省をし、来年1年間をどう頑張っていくのか、何を頑張るのかということを明確にする年末であってほしいと思います。
そして1年後、自分がなりたい姿をイメージをして、ワクワクしながら計画を立ててください。
次は、世の中の政治や社会の話をしましょう。みなさんがこれから生きていく時代は、本当に大変な時代だということを改めて思います。
今日の日経新聞など新聞の一面には、178万円の壁や子ども手当2万円、ガソリン税廃止などが出ていました。
ぜひみなさんは、目先の利益ではなく、政治が、そして日本という国がどうあるべきなのかを考える習慣をつけてください。自分たちの未来にとって、今の政治は本当に正しいのかを考える視点を持ってもらいたいと思います。これからみなさんが生きていく時代は、AIやロボット、また覇権主義などの台頭により、日本だけではなく世界中で、いろいろと大きな変化が待ち受けているでしょう。みなさんはしっかりと自分の考えを持ち、しっかりと自分で生きていく力を持たなくてはいけません。
それこそが、本当の学力であり、人間力であり、そして専門性が重要となるグローバル力です。

冬休みを迎えるみなさんに、改めて考えてもらいたい、私が論語を好きになったきっかけの章句を送ります。
葉公、孔子に語りて曰く、吾が党に直躬なる者有り。其の父羊を攘みて、而うして子、之を証せり。
孔子曰く、吾が党の直き者は、是に異なり。父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の中に在り。
(直訳)
楚の国の重臣である葉公が、「私の村に直射という正直者がおります。父が羊を盗んだので、自ら証言したのです」と孔子に話した。
孔子は「私の仲間でいう正直者は違います。父は子どもをかばって罪を隠し、子どもは父をかばって罪を隠す。本当の意味での正直さは、親と子がお互いにかばい合うところにあるのです」と答えた。
正直とは何か、そして正義とは何か。難しい問題だと思います。
例えば、大病を患った患者さんがいたとしましょう。まずお医者さんは、患者の家族に伝えたところ「患者本人には伝えないでほしい」と言われました。
しかし常に正直であることが正しいと感じたお医者さんが、患者本人に「あなたは大病を患っていますよ」と伝えることは正しいことでしょうか。正義とは常に正しくあることでしょうか。
私は必ずしも「正しい=正義」だとは思いません。みなさんには相手を思いやる心と愛情を持って、人と接することができる人になってほしいと思います。

また、最近うれしかったことを報告します。先日家族でテーマパークに行った際に、「渡邉理事長が来てくださることを待ってました。」とそのレストランの責任者に声を掛けられました。話を聞くと、その人は郁文館の卒業生でした。その卒業生は、在学中は夢を明確に持てなかったそうです。
ただ彼は、そのテーマパークが大好きで、何度も足を運びました。ひたむきに働き続け、今はマネージャーとして夢を叶えています。
私は、これが夢教育のかたちだと思います。彼はテーマパークが「好き」で、接客がとても上手で、いい笑顔で話す、つまり「得意」だったんです。そして彼はテーマパークで楽しそうに笑顔で過ごす人を見ることで、「ありがとう」を集める仕事をしているのです。
みなさんも好きなこと、得意なこと、そして人からありがとうと言われること。これをもう一度、夢手帳を使いしっかり見直してください。
その上で、やはり重要なのは努力です。ぜひみなさん、来年は何を思って努力するのかということ。努力せずに成功はありません。何の為に努力するのかということをしっかり向き合ってもらいたいと思います。
そして来年に向けて準備してもらいたいと思います。人間というのは決意すると変わります。「よし、やろう」と本気で思うと顔が変わります。
今まで頑張ってきた人はもちろん、頑張れていなかったと思う人も「よし、ここから」という思いで顔を変えていきましょう。年末年始しっかりリセットして、そして新年に向かっていくことを期待しています。
理事長 渡邉美樹