2015/10/27

読書案内4

「読書案内4 (OB編の3)」


本日は“OB編の3”として、考古学者の大塚初重先生です。


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学園創立120周年・記念式典にて(2010.4.3 於.学園・講堂)


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同日 祝賀会にて(右から2人目 於.学園・地下体育館)

 

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大塚先生は、昭和14(1939)4月、郁文館商業学校に入学、本来は昭和19(1944)3月卒業の予定でしたが、戦局の悪化に伴い、18(1943)1225日に繰り上げ卒業となり入隊、昭和20(1945)年には海軍一等兵曹として乗艦した船が2度にわたり撃沈され、東シナ海を漂流する体験をし、上海で終戦を迎えました。

 

復員後、働きながら明治大学で考古学を学び、昭和32(1957)年大学院を修了した後、 長く母校の明治大学教授をつとめ、文学部長等の要職も務められました。この間、登呂遺跡静岡県静岡市)や綿貫観音山古墳群馬県高崎市)など、多数の遺跡発掘調査を担当し、戦後考古学の第一人者として活躍され、日本考古学協会会長、日本学術会議会員、山梨県立考古博物館館長、千葉県文化財審議委員などを歴任されました。

 

また、郁文館では、長く理事、評議員、さらにOB組織である校友会の会長(現在は名誉会長)もお務めいただき、入学式・卒業式などの式典では祝辞として貴重なお話を度々いただきました。

 

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平成25年度入学式 祝辞(2013.4.6 於.学園地下体育館)

 

 

現在は母校・明治大学や各種カルチャーセンター、博物館での講演をされる一方、驚異的ともいうべきペースで、旺盛な執筆活動も続けていらっしゃいます。


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2014.6実業之日本社      2014.12 中経出版

 

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2015.2 朝日新聞出版     2015.5 新日本出版社

 


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ご専門の、考古学に関するご著書は、ここに紹介しきれぬほど数多くおありですが、今回はあえて、しばらく前の回顧談、対談をご紹介します。

 

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大塚初重・五木寛之『弱き者の生き方 日本人再生の希望を』 2007.6 毎日新聞社

 

この本は、大塚先生と作家の五木寛之氏がそれぞれの戦争時の体験をもとに、「人間の幸福とは」をテーマに対談されたものです。極限状態に追い込まれた中で、生き延びてゆくために人間はどんなことをしてしまうのか。他人を犠牲にしなければ生きていけないような瞬間に、人は何が出来るのか・・・厳しい、絶望的ともいえる体験をされ、過酷な運命を生き抜いたお二人だからこその内容となっており、さらに、お二人の視線は、現代の日本人に向けられていきます。

 

平和な今の日本で、人間はあまりにも傲慢になりすぎて、弱い存在であることを忘れてしまったのではないか。草木と同じように弱いものであるという謙虚な気持ちを取り戻すことが必要なのではないか。人間の弱さを自覚したお二人の、そんなメッセージを読み取ることが出来ます。読み終えて、「生きること」への希望が生まれてくる、素敵な本です。戦後七十年の今だからこそ、後輩である生徒諸君に読んで欲しい本です。

 

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米寿を過ぎてもなお、考古学への熱い想いを持ち続けていらっしゃる大塚先生。

「好きなこと、得意なこと、一つのことを徹底的にやり抜いていく」という点に於いて、

夢教育を受ける本校の生徒にとって、まさに最高の人生のモデル“夢達人”と言えます。

 

先生の益々のご活躍を、心より祈念申し上げます。

 

 

 

校長 宮崎 宏


 

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