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2011/08/11

ニュージーランド視察から その1

 ―かわいい子には旅をさせろ― と言いますが、真実だと思います。グローバル生の、ニュージーランド留学一年間での目を見張るような成長がその根拠です。今回の視察の一番の目的は留学7ヶ月目の彼らとのふれあいでした。久しぶりに会う彼らの目つきは変わり、自信がその目にあふれています。親から自立した姿が、そこにあります。

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 グローバルでは " 一つの学校に一人の生徒しか送りこまない"ことを基本方針としています。よって、彼らはどの学校でも、まさに"日本代表"なのです。地震が来ても日本は大丈夫かと聞かれ、イルカ漁においても日本の食文化を日本代表として問われ、韓国、中国の留学生とは、竹島、尖閣諸島の問題を日本大使ばりに、日本を代表して、その歴史から話す。日本を知り、日本を語り、彼らは日本を好きになり、本当の国際性を身につけていきます。

 クライストチャーチの地震から立ち上がろうとしている同級生とのふれあいの中、"皆、街を愛しているのだなあ"と感激する一方で、「私は日本を愛しているか」と自問する生徒がいました。他にも、3日間の山登り、ラグビーの試合、アイスホッケーの試合などなど、生徒たちは、それぞれの場面で国境を越えた友情を培います。たいてい最初の1ヶ月で皆ホームシックになりますが、そのとき助けてくれるのも現地の同級生です。

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 先進諸国で唯一、海外留学が毎年減っている情けない国が日本です。お金も、環境も、食糧も、エネルギーも、もう何ものにも国境などは存在せず、明日には、"雇用"にさえも国境はなくなるでしょう。国境を越えて、世界に通じる子どもたちを育てることこそ、私たち大人の責任です。海外で、著しく成長した彼らと出会うとき、 "日本の高校生10人に1人を、海外留学へ"という、私の都知事立候補時のマニュフェストは正しかったと改めて確信します。やはり、何とかしたいと思います。「若者たちよ、世界へ」「鎖国の江戸時代に逆戻りすることは許されない、世界人としての自覚にめざめよ」と、ことある毎にそう伝えていきたいと、心から思います。

 ところで、そもそもニュージーランドを郁文の留学先に選んだ理由がふたつありました。ひとつは公立校の海外留学生の受け入れ体制が大変しっかりしていること、もうひとつは、ホームステイ体制が充実しており、本当にふつうの家庭がホームステイを当たり前のように受け入れているということでした。

 今回、一人の生徒のホームステイ先をお邪魔しました。ご主人はエンジニア、奥様とは、15歳の高校生のときからの同級生で、大恋愛の末に結婚。7才の男の子、15才の女の子、81才のおばあちゃん、そして当日はいませんでしたが、その上のお姉さんを含め6人家族、それに、郁文の生徒を含め2人の留学生。みんなであたたかな夕食会となりました。

 ご主人が、海から採ってきてくれたアワビによる前菜、ホームステイの生徒の話で大いに盛り上がります。まるで、我が子のように、家族として受け入れてくれていることが伝わり、有難く、胸が熱くなりました。夕食後、ご主人と7才の坊やが演じてくれた"ハカ"は、さすが本場、もの凄い迫力でした。お別れは、家族全員でニュージーランド先住民族"マオリ"の歌をプレゼントしてくれましたが、切なくしみじみとした、いい歌でした。よくぞここまで心を開き、よくぞここまで私の子供を愛してくれた、と感謝の言葉を繰り返しました。今回の留学期間も残り3ヶ月半となりましたが、来年も郁文の生徒のホームステイをお願いしました。

 今年は40人、40の家族との絆が生まれ、来年は90人、90の家族との絆が生まれます。
 言葉もろくに通じず全く知らない家の一員となる中で、少しの緊張感の中で自立すべく、人間関係を自分の力でつくり上げていく、これ以上の勉強はありません。

 自分自身の力で人間関係を構築すると言えば、今回の視察で訪れたある高校でのことです。郁文の一人の女子生徒がサモア・ダンス部へ入りました。ミクロネシアンの生徒ばかり50人のクラブで、アジア人は彼女1人だけです。その彼女が入学7ヵ月半で見事に皆と共に踊っていました。彼女によれば、半年間は、「なぜアジア人のあなたが私たちのダンスを踊るのか」と相手にもされなかったと言います。彼女はダンスを踊りたい一心でじっと耐え、半年でようやく家族にしてもらえたとのことでした。それを聞いた後で、彼女が踊っている姿を見て、涙が流れました。「この半年間どんなに辛かったろうか」「この半年間どんなに寂しかったろうか」。人は目の前の壁を自分の力で越えていかねばなりません。越えていく時に、大きな成功と成長があるのです。

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 来年の中学新入生からは、グローバル力を高めるプログラムを徹底していきたいと思います。その一つが中学3年夏の短期留学ですが、その留学先をニュージーランドに決めた、その選択の正しさを確信する視察となりました。気持ちはまさに、"さあ、グローバル教育をはじめよう"です。

理事長  渡邉 美樹
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