2010/12/25

「終業式」について

 終業式に子供たちにお話しした内容をブログに再録しておきます。本当は日本の子供たち全員に聞かせたい話でした。話しの要点は4つありました。順を追ってまとめておきます。

 

 まず一つ目ですが、最近の芸能人のニュースを見ていても、人はちょっとしたことで道を踏み誤ったり、事故に巻き込まれたりします。人生が台無しになる可能性もあります。自分の人生は大切にしたいものです。必ず、自分を見つめる自分を横に置いておきましょう。つまり、常に自分を客観的に見つめ、危ういときには自分自身をいさめることが大切なのです。

 二つ目は、勉強できること、家族がいることという当たり前のことに感謝してほしいということです。今回、カンボジアを訪問して、孤児院で生活をしているスレイ・ノーイという高校1年生と話しをしてきました。彼女は孤児院で初めて高校生になった子です。彼女は朝早く起きて掃除をする、そして自分より小さな子供たちの世話をする、そしてさらに一日13時間も勉強しています。彼女の夢は勉強して、勉強して、カンボジアと日本の架け橋になることです。彼女は小さい頃は両親と一緒に暮らし、幸せな生活を送っていました。しかし、両親が亡くなり、孤児になりゴミの山でゴミを拾って生活していました。そして孤児院に引き取られたのです。彼女に何かほしいものを言ってごらんと言っても何もないと答えます。「住む家もある、着る服もある、そして勉強できる、他に何を望むのでしょう。私は今のこの環境に感謝しています。」と答えるのです。君たちはこんな風に考えて生活をしたことがありますか。勉強なんていやだ、したくなんてないと思っていませんか。自分が与えられて当然と思うことを今一度思い直して、それに感謝しましょう。君たちが当たり前と思うことも、他の国では当たり前ではないのです。

 三つ目の話しは少し難しいかもしれません。これも孤児院の子供たちのことですが、そこから学ぶべきことがあります。孤児院の中学三年生の子供たちはよく勉強し、とても優秀で、学校の成績上位者はすべてこの子供たちです。その子供たちの成績が今回のテストで落ちてしまったのです。一生懸命勉強したのに落ちたのです。理由を聞いてみると学校の先生がやっている補習塾に行かなかったからだそうです。カンボジアでは先生の給与はあまりよくありません。ですから放課後の学校を使って塾をやっているのです。その補習塾では学校のテストに出題される問題が練習問題として提示されるそうです。これなら塾に行くことで成績が確実に上がります。なんと理不尽な話しではないでしょうか。この学校の先生は何を考えているのでしょう。しかし、子供たちは一生懸命考えたのでしょう。普段は何もねだらない子供たちが成績を上げるためにその塾に行きたいというお願いをしてきました。ずるい方法で成績が上がってもよいことはないと子供たちに話してその願いを断りました。問題を教えてもらってよい成績を取ってもそれは本当の学力ではありません。自分で勉強して、本物の実力をつけて試験に臨めばいいのです。そしてまた一番を取ればよいのです。このように世の中には理不尽なことがあります。しかしその理不尽さに負けずに、立ち向かってください。これが大切なことです。孤児院の子供たちにも同じように話しをしましたが、なかなか理解できないようでした。君たちも理不尽さに真正面から立ち向かうことを覚えてください。これが将来の君たちを強くするのです。

 さて、最後になりますが、元旦にその年一年をかけて取り組むことを決めるようにしてほしいのです。年が変わる節目に何かをすると決めることは大切なことです。大きな夢を持つことでも小さな目標でも何でもいいのです。自分がその年に取り組むことを決めて新しい年のスタートをきって下さい。 冬休み中の事故には十分、気をつけて、始業式にはまたみんな元気な顔を見せて下さい。それでは。

 

理事長 渡邉美樹

 

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(写真は理事長講話会のものです。)

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